Blue - Will to Power (ブルー)

Blue - Will to Power (ブルー)
メーカー:きんぷくりん
発売日 :1992年
ジャンル:ロールプレイング
機種 :PC-98,FMTOWNS
※画像はFMTOWNS版です

大陸の四王国の中で、最も古く、最も強力を力を備えたイシュトは、平和の守護者として繁栄していた。ところがある日、北の王国セデンが、突然の宣戦布告と共に、イシュトに攻め入る。そして、他の二国もセデンに呼応したかの様に、イシュトに侵攻を開始したのだった。
三王国を相手にイシュトは、苦しい戦いを強いられたが、ジーンという一人の騎士の活躍によって優位を取り戻し、軍勢を退けた。そしてジーンは、英雄としてその名を大陸中に知らしめたのだった。
数年の後、ジーンはセデンの公爵ソトの妹クレアと結ばれ、やがて二人の間に子供が生まれる。しかし、二人の幸せは長く続かなかった。セデン反乱の報を受けて、鎮圧に向かったジーンは、帰らぬ人となったのである。ジーンを失ったクレアは、兄の勧めで、幼子と共に故郷のセデンへと帰った。
そして月日は流れ、成長した幼子は、騎士となる決意を固めたのだった…。

セデンの騎士になることを決意した主人公。母親のクレアから、叔父であるソト公爵の紹介状を受け取り、城に向かうところから始まります。
会話時に表示される4つのコマンド。相手から話を聞きたい時は「INFOMATION」(情報)、お店で買い物をしたい時は「NEGOTIATION」(交渉)といったように使いわけます。

メニュー画面
この画面でステータスの確認や装備の変更、そしてセーブやロードを行うことができます。

城で任官受け付けを済ませると王宮騎士と認められ、装備一式とお金が与えられる。その後、ソト公爵に挨拶を済ませたら、上官のレモ男爵のところへ。

レモ男爵は、スネルの村の盗賊騒ぎという難題を抱えていた。英雄ジーンを父親、そしてソト公爵を叔父にもち、任官と同時に小隊長となった主人公に対する風当たりは厳しく、その実力を見せろと言わんばかりに盗賊退治を命じられる。
物語は全5章構成。各部の終わりには、このようなグラフィックが表示されます。(メニュー画面の「あらすじ」でまた見ることができる)
というわけで、最初の任務はスネル村の盗賊退治です。主人公一人では心許ないので、仲間を増やしましょう。パーティのメンバーは最大で9人。誰を仲間にするかはプレイヤーの自由です。

城や町にいる人に話しかけて、会話コマンドの「COMPANION」(仲間)や「NEGOTIATION」(交渉)を実行し、仲間に誘ってみましょう。お金を払って雇うことになったり、拒否されてしまうこともありますが、色々な人物が仲間になってくれます。ちなみに敵のモンスターを仲間にすることも可能です。(魔術を使って魅了させる)
仲間を揃えたら町の外へ。

フィールドマップ
ランダムエンカウントになっており、歩いていると敵モンスターが出現します。

戦闘画面
コマンドバトルです。戦術決定で「斬る」や「魔術」などのアイコンを選択して、全員分の行動を決めたら実行します。
9人もいるとコマンド入力が面倒に思えるかもしれませんが、最初から最適な行動が入力されていますから、変更する必要がなければ、そのまま実行を押すだけ。仲間のHPが少なければ回復魔法も使ってくれます。

盗賊退治を依頼してきたスネルの村長。どうやら盗賊たちは、自警団の留守を狙って現れるらしい。村長の発案で盗賊の連絡員を誘き出すことになるが…。

盗賊のアジトに乗り込んだ主人公たち。そこには意外な人物が待ち構えていた…。
こうしてスネル村の盗賊騒ぎの解決した主人公は、その報告ため、レモ男爵の下に戻るが、城内では騒ぎが起きていた。魔人が現れてイセリナ姫に眠りの呪いを掛けたというのだ。

主人公の友人で、セデンの大臣を務めているブルー。

大臣ブルーと騎士団長ソト公爵の推薦で、魔人討伐の勅命を受けた主人公は、姫の呪いを解くために、魔人の棲む塔へと向かう…。
というわけで、ショートストーリー仕立てのロールレプイングゲームです、与えられた任務をこなしていくことで物語が進み、やがて本当の目的がわかります。
ゲームの画像を見て地味そうなゲームという印象を受けたのではないでしょうか。実際にその通りで、基本的なシステムは、従来のロールプレイングゲームと変わらないですし、キャラクター色が弱くて、その頃にはあって当たり前だったビジュアルシーンがありません。
しかし、それでも面白いのがこのゲームです。その理由は自由度の高さにあって、1つは上で紹介した仲間になる人物の豊富さ。

町にいる一般人の女性を仲間に誘ってみる。
すると「まあ!私を騎士様のお仲間に?」「そうね…どうしようかしら」「やっぱり…」と会話が進む。この反応を見て、普通の女性には荷が重いだろうし、普通は断るよなと思っていたら、最後に「解りました、御一緒させて頂きます」と了承。この時は「ええっ!?本当に仲間になっちゃうの!?」と驚きましたw
極端ですが、子供、おじいさん、おばさん、防具屋の娘、城のメイドというパーティ構成にすることも可能。最初の町だけでも15人はいると思います。さらにモンスターまで仲間にできるわけですから、まさにパーティ構成はプレイヤーの自由というわけです。
そしてもう1つは、会話時に「BATTLE」のコマンドを実行すれば、誰にでも戦いを挑めること。

王宮の国王に戦いを挑んでみる。

国王だけでなく、騎士団長、警護の騎士、そして王妃まで戦いに参加しますから、ものすごく強いですけどねw
状況によってはこれでイベントの展開が変わります。例えば、最初に盗賊退治で訪れるスネル村で、確証もなくいきなり犯人を攻撃して倒すと、村では殺人者扱いになります。そして、その状態で村長に話しかけると「村に仇なす外道」と言われて攻撃されるのですw ちなみにそうなると村民に愛想を尽かされて任務失敗ということになりますが、上官のところに戻れば、普通にストーリーは進みます。
但し、このゲームには「加護度」という数値があって、一般人を殺したり、戦闘中に仲間を失うと下がります。正しい行動の積み重ねで獲得できますが、0になってしまうとゲームオーバーですから、そこだけ注意が必要です。(教会で生き返らせることが可能)
以上のように自由度が高く、プレイ中にいろいろ試してみたくなる面白さがあるのです。ダンジョンのエンカウント率の高さが気になるものの、それ以外はスムーズに進みますので、興味がありましたらぜひプレイしてみてください。

Blue きんぷくりん | パソコン・スマホ | 中古・新品通販の駿河屋
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※ソフコムときんぷくりん、メーカー名が別々に登録されてしまっていたので、リンクを2つ貼っておきました。
きんぷくりんのゲームは、他にも「Providenza」(プロヴィデンツァ)、「Free Will」(フリーウィル)、「Faladia」(ファルアディア)があって、どれも自由度の高さが売りですから、他の作品でも同じように楽しめると思います。(すべてプレイしたわけでないので多分ですが…)