黄金の羅針盤 翔洋丸桑港航路殺人事件

黄金の羅針盤 翔洋丸桑港航路殺人事件
メーカー:リバーヒルソフト
発売日 :1990年
ジャンル:アドベンチャー
機種 :PC-98,X68000,FMTOWNS,Windows
※画像はFMTOWNS版です

一九二三年、某月――
船は、桑港を出航した。翔洋丸、一万三千トン。
半年の外遊を終えた藤堂龍之介は、太平洋を横浜に向かうこの船の上にあった。島影一つ見えないはるかな大海原を、一筋の白い航跡を残しながら、船は西を目指して進み続ける。安らかな航海は、果てしなく続くように見えたが、すでにその船上では、秘められた殺意の羅針盤が、ゆっくりと誰かに向かって動きはじめていた………。

出航から二日目、事件は思わぬ出来事から始まる。プロムナード・デッキを急ぎ足で歩いていた乗客の一条菊子とボーイの尾崎康平とが、出会い頭にぶつかり、その拍子に倒れた樽の中から、白骨化した人間の死体が出てきたのだ。
報告を受けた船長の鷹取重四郎は、事件の解明を約束したうえで、乗客に余計な不安を抱かせないようにと、目撃者の青沢夫妻や司厨長の赤松を含め、その場に居合わせた全員に、この事態を秘密にしておくようにと命令した。

その日の夜、翔洋丸のロンジでロシアン・ティを飲んでいた藤堂龍之介に、一条菊子が話しかけてくる。龍之介が探偵であることを知った菊子は、白骨死体を発見した時の状況を語り、気を引こうとした。
こうして事件を知った龍之介は、探求心を刺激され、さらに詳しい話を菊子から聞き出す。そして、白骨死体がはめていたという指輪の絵を書いてもらい、翌朝から事件の捜査を開始した。

船内マップ
龍之介の船室であるアースの間の前から捜査開始。マップの各部屋や階段を直接クリック、またはコマンドの「部屋移動」を実行して船内を移動します。

船内の各場所を訪れて、登場人物たちに白骨死体について聞き込み。(画像の女性は、船内看護婦の藤村安奈)
部屋の中に入ると斜め見下ろしの画面に切り替わり、関係者がいれば話を聞くことができます。食堂や甲板などの広い場所は、いくつかに分割表示され、画面を切り替えながら移動します。

ゲーム序盤は必要ありませんが、部屋の中を調べる時は、コマンドの「捜索」を実行して、赤い丸の場所をクリック。
乗組員や乗客に話を聞くが、ほとんどの人は事件のことを知らない。知っているはずの人も船長に口止めされている為、何も語ってくれない。これといった情報は得られないまま、その日の午後に…。
ゲームの進行で、午前、午後、夕刻(夜)、深夜と移り変わっていきます。

船長に直接話を聞こうと思い、船長室を訪ねる。しかし、船長は不在で、機関士長の鬼貫が龍之介を出迎えた。

麻生多加子(乗客)
乗船した時から龍之介がひそかに思いを寄せている女性。(ちなみに人妻です)白骨死体がはめていた指輪の絵を見せると反応が…。彼女は事件に関係しているのだろうか?
ほとんどの登場人物が出揃うと、夕食(夕刻)の時間へ。

昨日の朝、白骨死体が発見された甲板の樽の近くで、青沢豊彦が何かしているのを見たらしいが…。
午前と午後の聞き込みで、乗客のほとんどと顔見知りになったことで、いろいろな噂話を聞けるようになる。ようやく船長にも話を聞けたが、事件そのものを否定した。
夕食の時間が終わり、夜はふけていく…。龍之介は、事件の目撃者である青沢夫妻に話を聞こうと、夫妻が宿泊している白百合の間を訪ねた。

豊彦に甲板の樽の横で何かをしているのを見たという証言について聞く。すると彼は、驚きの表情に変わり、龍之介を部屋から追い出した。

龍之介の人柄に触れ、心を開いた多加子は、夫の麻生伊作のことで悩んでいることを打ち明けた。伊作は半年前から行方不明で、翔洋丸の乗船切符だけが残されていた。つまり、彼女は夫の手掛かりを求めて、この翔洋丸に乗船したというわけだが…。
その時、突然ドアが開き、ボーイの尾崎康平が飛び込んできた!
「たいへんです!事件です!人が殺されました!」
翔洋丸の事務長・片桐幸蔵が殺されたらしい。龍之介は現場である理髪室へ直行した。

理髪台の流しの中に顔を埋めて息絶えている片桐幸蔵。床には赤い血が流れていた…。
ついに翔洋丸の中で殺人事件が発生した。いったい誰が何を目的に片桐幸蔵を殺したのか?そして、樽の中から発見された白骨死体や、多加子の夫、伊作の行方不明事件との関係は?
龍之介の捜査はまだまだ続く……。

捜査分析コマンドを実行すると、用意されている登場人物の顔写真などを使って手帳に相関図を作成したり…

ゲームの進行状況を表す海図を見る事ができます。(他にも所持品の確認ができる)
リバーヒルソフトの藤堂龍之介探偵日記(1920シリーズ)の第二弾。桑港(サンフランシスコ)と横浜の間を航海する豪華客船「翔洋丸」の中で起こった殺人事件を捜査するミステリーアドベンチャーゲームです。
前作の「琥珀色の遺言」と同じく、やはりこのゲームの魅力は、緻密な舞台設定による雰囲気の良さですね。舞台になっている翔洋丸のデザインは、実在した「天洋丸」という三菱重工が1908年に造った豪華客船がモデルになっており、内装や部屋割りもそれを参考にデザインされています。
船室を斜め上から見下ろす斬新なレイアウトを採用し、家具や調度品といったものまで緻密に描かれています。前作の舞台である琥珀館もそうでしたが、徹底的な取材を行うことで、このような素晴らしい舞台(雰囲気)を作り上げているわけですね。
今回も主要の登場人物の人数は約30名。船の乗組員から乗客の軍人、女優、楽団員、宗教の教祖、錬金術の研究家と多彩です。情報は足で稼ぐというゲームですから、全員に何度も聞き込みする必要があり、広い船内のどこに誰がいるのか捜すだけでも大変ですが、マルチウィンドウのマウス操作は快適ですし、雰囲気の良さのおかげで苦にならないと思います。それどころか1920年代にタイムトリップしたような気分になれるのではないでしょうか。
豪華客船の中という特殊な舞台、練り込まれたシナリオ、そして美しいグラフィックと雰囲気にあった音楽で、プレイヤーを楽しませてくれます。J.B.ハロルドシリーズ等、リバーヒルソフトのアドベンチャーゲームはどれも好きですけど、私はこの「黄金の羅針盤」が一番のお気に入りです。

付属品のトランプ
琥珀色の遺言はタロットカードでしたが、黄金の羅針盤はトランプでした。(翔洋丸の乗船切符とかもありました)

こちらは近々プレイする予定の「亜鉛の匣舟 相馬邸連続殺人事件」です。NintendoDSでは黄金の羅針盤が発売されていないせいか、シリーズ第二弾という扱いになっているみたいですね。どのようなストーリーなのかとても楽しみです。

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