闇の血族 THE PREDESTINED HOMICIDES

闇の血族 THE PREDESTINED HOMICIDES
メーカー:システムサコム
発売日 :1990年
ジャンル:アドベンチャー(ノベルウェア)
機種 :X68000,FMTOWNS,PCE
※画像はFMTOWNS版「闇の血族 Special」のものです
伊澤魅由―――通称「名探偵・魅由」は、新宿の<スタジオYo>で活躍する、新人アパレル・デザイナー。一見、普通の女の子だが、彼女には幼い頃から「異常に勘が鋭い」といった、奇妙な「力」が備わっていた。
1990年5月
Yoのファッション・ショーを数ヶ月後に控え、魅由はその準備に追われて、大忙しの日々を送っていた。そんなある日、突然、魅由のモデル仲間のマリーが、変死体で発見された。死因は不明。警察の話では、体中の血液が抜き取られて、夜の公園に転がっていたと云う。そして翌日、魅由の親友だった唯が、同じ様に奇怪な死を遂げる。
―――魅由の周囲に渦巻く、陰惨とした闇の甘い血の薫り。やがて魅由は、犠牲者達に秘められた、奇妙な共通点に気付く。そして、この連続殺人事件の裏に見え隠れする不気味な符号にも、おぼろげに気付き始めたのである……。

主人公「伊澤魅由」(19歳)
高校を卒業すると同時に上京し、現在は都内のマンションに一人暮らし。「スタジオYo」に所属し、一流のデザイナーを目指している。
一本道のストーリーなので、ほとんど読み進めていくだけですが、所々にコマンド選択があります。

姫野里沙(Yoのモデル)
行きつけのカフェで里沙やマスターと会話。
魅由以外の登場人物の会話内容は、別の枠に表示されるのが特徴です。誰が話しているかわかりやすいけど、目線を移さないとならないから、少し読みづらく感じました。

雪原リーン
Yoでファッションショーを中心に活躍している若手スタイリスト。
今回の事件の容疑者として逮捕される。

マリー富岡、高峰テルサ、山辺唯
変死を遂げた「スタジオYo」のモデルたち。この三人の共通点とは…!?
まあ、パッケージの裏表紙に書いちゃってありますけどね…。(FMTOWNS版)

すべての謎は中南米に…。魅由と里沙はメキシコシティへ向かいます。
このゲームは、前編と後編に分かれており、前編は謎を残したままここで終了です。FMTOWNS版はSpecialと名付けられ、一本にまとめられているので、エンディング後すぐに後編が始まりますが、最初に発売されたX68000版は、別売りの後編(完結編)を買わないと続きが楽しめませんでした。(正確には「闇の血族 #1」と「闇の血族 #2 完結編」の二本)

メキシコのホテルに宿泊した二人だが…
魅由がシャワーを浴びていると、悲鳴が聞こえ、部屋から里沙の姿は消えていた。

テオティワカン遺跡
後編(完結編)では、主に古代遺跡が舞台になります。メキシコに実在する宗教都市遺跡で、世界遺産に登録されています。
システムサコムのノベルウェアシリーズ第6弾で、物語を"読んで"楽しむノベルゲームです。シナリオと同化したアニメーションが売りで、映像や音楽で臨場感を演出し、ストーリーを盛り上げています。
魅由の心情を事細かに書いてあるのは、ノベルらしいところだと思いますが、人によってはそれがくどいと感じ、無駄に文章が長いと思えてしまうかもしれません。実際、文章量が多いわりに、ストーリーそのものはそれほど長くありません。前編では、身近な人たちが変死してショックを受けているだけで、魅由自身は大した行動を取っておらず、終了直前になって殺された三人の共通点に突然気が付くという感じでした。
テクノポリスの「前編」紹介記事にある、ゲーマーの談話室で「次回に続くはヒドイ!」「容量オーバーらしい」「だったらメッセージのムダをなくせー! 凝りすぎで逆効果!」と書かれていたのも納得。上で書いたように、X68000版は二本を買わないとならないし、定価で買うと8800円×2ですから、不満があって当然だと思います。ただ、私が買ったFMTOWNS版は、一本にまとめられているからお得だし、そのような不満はありません。(お得といっても定価12800円と高い…)
後編(完結編)では、メキシコが舞台になって、雰囲気はガラリと変わります。今回の事件はマヤ文明に関わりがあると考え、テオティワカン遺跡を調べることになりますが、テオティワカン文明に関する固有名詞が多く登場するため、興味がないと文章を読むのが苦痛に感じられます。それに、ストーリーが現実離れして、どんどん複雑になっていくので、理解することが難しい…。テクノポリスの「後編」の紹介記事にも書かれていましたが、題材はそのままで、もっとわかりやすい内容にしてもらいたかったです。
当時の主流だったPC-98では発売されないのに、FMTOWNSでは発売してくれたという嬉しさと、エニックスの「アンジェラス」のようなストーリーを期待して買ってみました。しかし、前編はともかく、後編になるとストーリーの展開についていけず、完全に置いてけぼりにされてしまいました。面白いつまらない以前に、よくわからなかったというのが当時の感想です。
さて、PCエンジン版ですが、1993年に「闇の血族 遥かなる記憶」というタイトルで、ナグザットから発売されました。

PCエンジン版の「伊澤魅由」(右)と「姫野里沙」(左)
キャラクターデザインの変更だけでなく、ストーリーもアレンジされてわかりやすくなりました。それに、無駄なメッセージをなくしてボイス付きになっています。ただ、演出はパソコン版の方が上ですし、絵柄の好みもありますので、どちらが良いかは人それぞれですね。一応、PCエンジン版をオススメしますが、ゲームとしてはどちらもいまいちだったかな…。
ちなみにPCエンジン版は、殺されるのが二人になって、里沙がメキシコのホテルでさらわれません。

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パソコン版のグラフィックや演出で、PCエンジン版のストーリーだったら良かったのにと思ってしましました。