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琥珀色の遺言 西洋骨牌連続殺人事件

ここには、殺意が棲んでいる。
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琥珀色の遺言 西洋骨牌連続殺人事件
メーカー:リバーヒルソフト
発売日 :1988年
ジャンル:アドベンチャー
機種  :PC-88,PC-98,MSX2,X1,X68000,FM77AV,Windows,NintendoDS


※画像はPC-98版です。

プロローグ (これでも短めにしました…)

大正十年(1921年)、九月九日、金曜日。
その朝、影谷絹代は首を絞められているような息苦しさを感じて、突然目を覚ました。ベッドから飛び起きると寝巻きの上にガウンを羽織り、琥珀館の二階にある自分の部屋を出ていった。

貿易商、影谷恍太郎の屋敷は、西日本の地方都市X市の小高い丘の上に建っていた。大正元年に建てられたその屋敷は、まさに贅を尽くした壮麗な西洋館であった。夕暮れ時になると、洋館の白い壁を美しい琥珀色に染め上げ、いつの頃からか、あたりの人々は「琥珀館」と呼ぶようになっていた。

絹代は部屋を出ると、静まり返った階上廊下を抜けて、洗面所に駆け込んだ。そして目覚めの気持ち悪さを洗い流すように何度も顔を洗う。少し落ち着きを取り戻し、洗面台から顔を上げる。左手にある窓から外を見ると、琥珀館の美しい中庭が見おろせた。絹代の目に、その中庭を遠く誰かがゆっくりと散歩している姿が映る。
「……おじいさまだわ」
絹代は部屋に戻ると、いつもより早めの朝の身支度を始めた。

その朝、影谷里絵は、どこかの部屋のドアがばたんと閉まる音で目を覚ました。理絵は、この琥珀館の主、影谷恍太郎の娘である。恍太郎は、二人の妻の間に五男五女をもうけた。里絵は恍太郎が四十を過ぎてからできた、今年で十三になる末娘であった。絹代の父親である影谷利彦は、恍太郎の長男で、里絵にとっては親子ほど年の離れた兄だった。里絵は絹代の年下の叔母にあたることになるが、実の姉妹以上に仲が良かった。

里絵は急いで服を着替え、部屋を出た。広間に続く階段を駆け下りると、大廊下を抜け、裏廊下に出る。その奥の厨房から、コトコトという音が聞こえている。中ではコックの亀吉とその女房のふみが朝の支度をしていた。厨房から漂ってくる湯気の香りをかぎながら、中庭に出る石段を降りていく。

里絵は中庭に出て、朝のすがすがしい空気を胸いっぱいに吸い込んだ。手入れが行き届いた中庭の中央には、美しい大理石の噴水がある。その噴水の向こうに絹代の後ろ姿を見つけ、手を振って声を掛けた。
「おはよう、絹代ちゃん!」
しかし、声が聞こえないのか、絹代はその場に立ちつくしたまま、振り返ろうとしない。里絵は絹代のそばに駆け寄り、肩をぽんとたたいた。
「絹代ちゃん、お・は・よ!」
絹代はビクリとして、ようやく里絵のほうに振り返ったが、その顔は真っ青で、くちびるが小刻みに震えている。そして、声にならない声で、何か言おうとした。
「あっ……あれ……」
絹代の指は、すぐ近くの大きな樹の根元を指していた。里絵はその方向に目をやると、驚きと恐怖の表情になり、次の瞬間あたりに響きわたる叫び声が発せられる。
「誰か!誰か来てぇ!お父さまがぁ……!」
そこには断末魔の苦しみに顔をゆがませた影谷恍太郎が倒れていた。そしてその息はすでに絶えていた。


藤堂龍之介、最初の事件

影谷恍太郎を死にいたらしめたのは、トリカブトという雑草であった。健康維持のために薬草入りのお茶を飲む習慣があり、事件が起きた日の朝も、いつもように食堂でテーブルに用意してあったお茶を飲んだらしい。

この不可解な死について、地元の警察はさっそく捜査を始めたが、琥珀館に住む人々は誰一人として恍太郎の死に対して何も語ろうとしない。そして、事件の手掛かりは何も発見されなかった。地元の有力者である影谷家において、警察も強引な手段を取ることが出来ず、事件の解明は難航をきわめた。

影谷恍太郎の死から二週間が過ぎた。すでに葬儀は終わり、影谷家の人々は喪に服す毎日を送っていた。そんなある日、琥珀館の応接室にひとりの男が通され、執事の辰野銀蔵が、その客に向かって話をしていた。
「いいかね、藤堂君とやら」
「今回の君の仕事は、影谷恍太郎氏の毒殺、いや、その事故死についてこの屋敷の中で内偵することだ」
「もちろんこのことは、誰にも気づかれてはならないし、どのような事実が判明しようと、その口外は絶対に許されない」
「わかったかね、君には今日からここの二階の客室に寝泊まりしてもらうことになる」

藤堂龍之介は、その話に軽いうなずきで答えながら、くどい話を続けるこの執事のことを、ゆっくりと観察していた。この男は、いったい何を隠しているのだ……。
「君のことは、亡くなられた主人の甥であられる影谷芳明様のご協力を得て、芳明様の友人だということにしてある。もうすぐおいでになるから、うまく話を合わせておいてくれ」

その時、応接室のドアが開き、男が入ってきた。その男は、龍之介を見たとたん、驚いた顔をして、こう叫んだ。
「藤堂龍之介!君だったのか……」
辰野はその反応に驚いていたが、二人の若い男たちは、辰野がそこにいることを忘れたかのように、互いに再会を喜びあっていた。
「ひさしぶりだね、影谷君」
龍之介は、影谷芳明をじっと見つめて、その端正な顔に微笑みを浮かべていた…。


要点だけ短く数行にまとめても良かったのですが、やっぱりこのゲームはこういう細かい描写が大事かなと…。


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琥珀館の二階にある、龍之介の部屋からスタート。
最初に事件の依頼者である、執事の辰野銀蔵に話を聞いてみましょう。ちなみに辰野と影谷芳明以外の人物には、龍之介は小説家で芳明の友人であると伝えられています。つまり、探偵であることを隠し、小説を書くために暫く滞在することになっているわけです。


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移動を選ぶと影谷家の見取り図が表示されます。
二階建ての大きな西洋館だけあって部屋が多いですね。一階の執事の部屋へ移動します。


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影谷家の執事、辰野銀蔵
話し掛けて挨拶をし、今回の事件と影谷家の人々(家族や使用人)について聞きます。もう一度聞くと話の内容が変わる項目もあるので、変化しなくなるまで何度も聞き直すのが基本です。

恍太郎の部屋で見つけた封筒にこんなものが入っていたと、一枚のカードを受け取りました。不気味な骸骨が描かれているカード。それは西洋骨牌(かるた)とも呼ばれるタロットカード。

それでは、各場所へ移動し、琥珀館にいる他の人々に会って、事件について聞いてみましょう。


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影谷芳明(恍太郎の甥)
大正九年の夏、英国から日本へ向かうドイツ汽船で、龍之介と芳明は知り合って意気投合。日本へ着くまでの間、共に過ごし、尽きぬ話を語り合ったという仲。その一年後、今回の事件が発生して、偶然再会したというわけです。


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影谷絹代(恍太郎の長男、影谷利彦の娘)
第一発見者である絹代に発見時のことを聞きます。最初は挨拶と簡単な会話程度ですが、一度部屋の外に出て入り直す等、二回目以降から詳しい話を聞くことができるようになります。


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影谷ルイ(恍太郎の妻)
事件が起こった前の晩、恍太郎の勧めで、珍しく酒を飲み、次の朝までぐっすり眠ってしまっていて、恍太郎が部屋から出て行ったことすら気がつかなかったらしい。


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駐車場の車の後部座席に、香水の匂いがするレースのハンカチが落ちていました。事件の証拠品として入手。



他にも影谷家の一族や使用人がたくさんいますが、とても紹介しきれないのでここまでにしておこうと思います。

以上のように、琥珀館の中を移動し、人と会話したり、証拠品を収集することが、ゲームの基本的な進め方。あと、龍之介の部屋では、捜査状況の分析をおこなうことができます。


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人間関係の分析
家系図っぽい感じの、影谷家や使用人たちの一覧です。被害者や容疑者などに色分けされており、ゲームの進行具合によって変化します。


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証拠品の分析
入手した証拠品についての情報がグラフィック付きで表示されます。


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捜査段階の評価
捜査の進展具合が項目ごとに点数表示されます。

この他に、事件に対して容疑が深まった人物のプロフィールや調査情報がわかる、容疑者の分析というものがあります。


1920年シリーズと名付けられた、洋館を舞台にした大正ロマンあふれるミステリーアドベンチャーゲーム。ゲーム作成当時、ちょっとしたこの時代のブームがあって、それがきっかけだったようです。リバーヒルソフトの代表作で、アメリカの現代都市が舞台になっている「J.B.ハロルドシリーズ」とは対称的に、洋館という、もっと限られた中で進んでいく物語になっているのが特徴ですね。ちなみに北九州市の旧松本邸や長崎市のグラバー邸がモデルになっているそうです。

さて、このゲームの魅力といえば、雰囲気の良さでしょう。セピア調の美しい背景画像はもちろん、そこに描かれている家具や調度品からもわかる、琥珀館の豪華さ。しかし、そこに住んでいる人々からは、どこか暗い影のようなものが感じられて、そんな華やかさとは正反対。まさにミステリーの舞台にぴったりという雰囲気なのです。自分が藤堂龍之介になったような気分に浸れて、琥珀館の中を捜査していくのが、とても楽しいです。

ただ、登場人物が約30名とかなり多く、最初は名前を覚えるだけでもひと苦労。琥珀館は部屋の数が多く、それを1つずつ移動して、聞き込みと証拠品探しを何度も繰り返さなければなりません。相手に聞く項目も多いですし、どうしてもコマンド総当たりのローテーションになってしまうと思います。そこでこのゲームの好き嫌いが分かれるのではないでしょうか。

このゲームのキーアイテムであるタロットカード。海外に対する憧れの象徴、ミステリアス感、そういった理由から選ばれ、ちょうどそれぞれのカードが登場人物たちの存在に合っていました。ただ、制作者自らちょっと中途半端になってしまったと言っている通り、事件そのものとの関連性が薄すぎましたね。


実はパソコン版より先に、PCエンジン版の「謎のマスカレード」(NCS/メサイヤから発売)をプレイしました。


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主人公は「円陣龍之介」という名前の探偵で、探偵社の仲間として「明地古々郎」や「金太一高助」など、五人の仲間が登場します。そして、琥珀館の影谷家ではなく、伝説館の山神家に変更され、他の登場人物たちも別の名前になっています。(家系図から違う)


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山神家で開かれた仮装舞踏会で、死神に扮する山神光太郎が、遺産を相続する者を発表しようとした瞬間、ワインに入れられた毒で死んでしまうというというプロローグ。


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グラフィックはなかなか良いのですが、メッセージが瞬間表示のパソコン版と比べて、PCエンジン版は表示が遅い…。表示中にボタンを押せば速くなるけど、コマンドが多いから、面倒に思えてきます。


タイトル名が全然違っていたので、最初は「琥珀色の遺言」のリメイクだと気がつかず、真似して作ったゲームだと思っていました。タイトル画面にリバーヒルソフトと表示されているので気が付きそうなものですが、電源を入れてプロローグが始まり、何分か経ってから最後にやっと表示されるから、今まで見たことがなかったという…。(その間にボタンを一回でも押すと見れないという…)

しかし、名前が有名キャラのパロディの仲間探偵を登場させたり、仮装舞踏会という設定は、子供っぽく陳腐な感じで余計だったと思います。シリアスなゲームだけに、この設定が浮いているように感じられました。パソコンよりもユーザーの年齢層が低いからという理由があったのかもしれませんが、子供の頃は大人っぽい雰囲気に憧れるものです。あの良い雰囲気を壊さないリメイクにしてもらいたかったです。

当時クリアしましたが、上で書いたようにメッセージスピードの関係で、もう一度やってみようという気が起こりません…。

ちなみにパソコン版は、90年代半頃に本屋で売っていた、ログインのDISK&BOOKシリーズでプレイしました。(あの豪華な探偵手帳等は本の中に掲載されている)このシリーズには、ファミコン版「オホーツクに消ゆ」をリメイクした、PC-98版もありましたね。



琥珀色の遺言 | PC-8801 | PCソフト | 通販ショップの駿河屋
琥珀色の遺言 | PC-9801 | PCソフト | 通販ショップの駿河屋
琥珀色の遺言 | MSX | PCソフト | 通販ショップの駿河屋
琥珀色の遺言 | X68000 | PCソフト | 通販ショップの駿河屋
琥珀色の遺言 | X1/turbo | PCソフト | 通販ショップの駿河屋
琥珀色の遺言 | FM7/77 | PCソフト | 通販ショップの駿河屋



琥珀色の遺言 | Windows | PCソフト | 通販ショップの駿河屋



琥珀色の遺言 | ニンテンドーDS | ポータブルゲーム | ゲーム | 通販ショップの駿河屋



謎のマスカレード | PCエンジン | TVゲーム | ゲーム | 通販ショップの駿河屋


J.B.ハロルドと藤堂龍之介のシリーズは、NintendoDSでひと通り発売されていますね。

このエントリーのタグ: PC-88 PCエンジン リバーヒルソフト メサイヤ NCS

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コメント
433: by ポプコムのカセットレーベル on 2017/04/19 at 09:08:27

いわゆるフラグ立てゲーですが、この頃のAVGが一番楽しかったですね。琥珀館はグラフィックも音楽も良かったですね。リバーヒルは特に好きでJBもこちらも大人な雰囲気が大好きでした。

434:コメントありがとうございます! by shami on 2017/04/19 at 20:00:04 (コメント編集)

J.B.ハロルドと藤堂龍之介のシリーズの中では、パソコンだと「マンハッタンレクイエム」を最初にプレイしたんですが、ニューヨークの街並みのカッコ良さと、大人の雰囲気にしびれました。(その前にファミコンの「殺人倶楽部」をプレイ)
この雰囲気を味わっていると不思議なことに、フラグ立ても地道な捜査って思えて苦にならないんですよね…。
私もこの頃のアドベンチャーゲームが一番好きです。

437: by ポプコムのカセットレーベル on 2017/04/20 at 22:26:38

恐らくは、同学年か一つくらいしか変わらないのかと思いますが、ほんとよく似た経歴と言いますか、同じ若き日を送ってきたと言いますかw
まさにおっしゃる通りで私もマンハッタンレクイエムが最初でした。ほんとに地道にフラグ立てしてましたね。今ではあんな根気がよくあったものだと我ながら感心します。マンハッタンレクイエムは後々サントラも購入しました。黒猫荘相続殺人事件や白バラ連続殺人事件もやってみたい衝動にかられていたのを思い出します。(結局未プレー)
こちらのブログほんとに楽しみにさせて頂いてます。感謝です。

438:コメントありがとうございます! by shami on 2017/04/21 at 20:32:19 (コメント編集)

同世代で同じパソコンゲーム好きだったとはいえ、ゲームの好みも似てますよねw

私もこうやって当時のパソコンゲーム話できて楽しいですし、こちらこそありがとうございます。マンハッタンレクイエムの記事もいずれ作ってみますね!(あれはWindows版も買ってしまったw)

しかし、あの頃のパソコンゲームは、アドベンチャーゲームの宝庫でしたね…。

572: by 風祭さつき on 2017/08/26 at 04:17:24 (コメント編集)

懐かしいです。MSX2でプレイしました。おまけの探偵手帳があまりにも素晴らしい出来で使えませんでした。なので普通のノートを使いました。ものすごいサービスだったと思います。

セピア風の画面、琥珀館の中のみの移動、情景に合わせた音楽、そして次々起こる事件。終盤はもうドキドキの連続でした。

出来れば西洋骨牌をタイトルにしているのですからそこらあたりをもっと掘り下げてほしかったかなとは思いますが、いいゲームであることに違いはないと思います。

NintendoDS版はパソコン版では一部語られなかったこと(長男に関するうわさとか)までしっかりフォローするシナリオがあるので今ならDSがおすすめかもしれないですね。

MSX2+でしか使わないディスク3、自然画モードのデモもぼーっと眺めるにはいいものでした。J.B.ハロルドシリーズもなぜか出てきますし。

576:コメントありがとうございます! by shami on 2017/08/26 at 10:09:03 (コメント編集)

J.B.シリーズもそうでしたけど、付属品はもったいなくて使えませんよね。
シナリオやグラフィックはもちろん、大正時代を彷彿とさせる音楽も良かったと思います。

DS版は追加要素があるのですね。安く売っているのを見かけたら買ってみようと思います。そういえば、DS版は第二弾が「黄金の羅針盤」ではなく、「亜鉛の匣舟」というオリジナル作品になっていますね。こちらをすごくやってみたいです…。

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